日本史上初の部分月食
月食(moon eclipse)とは、太陽と月の離角が180°になったときに月が地球の影に入ることで起きる天文現象です。このため月食は満月のときにしか起こりません。月が地球の影に完全に入ったときが皆既月食、地球の影が月に部分的にかかった時が部分月食になります。
今朝の初日の出前に、日本の歴史上で初めてである元日の月食が起きました。
明治5年(1872年)以前は太陰太陽暦を用いていましたので、月の始めである1日は必ず月が見えない新月となっていました。このため明治5年以前においては月食が元日に起きることはありえないことです。また現在の暦法であるグレゴリオ暦に改暦された明治6年(1873年)1月1日以降でも、元日に月食が起きたのは今年が初めてです。
国立天文台によりますと、今回の月食の推移は下表の通りでした。食甚のときの食分は0.082です。食分とは月が地球の影によって隠される割合を示したものです。
時刻 | 状況 |
---|---|
02:15.3 | 半影食開始 |
03:51.6 | 本影食開始(第1接触) |
04:22.7 | 食の最大(食甚) |
04:53.8 | 本影食終了(第4接触) |
06:30.1 | 半影食終了 |
ちなみに東京の今朝の日の出と月没は次のとおりでした。(秒は切捨て)
時刻 | 状況 |
---|---|
06:15 | 夜明 |
06:50 | 日の出 |
07:02 | 月没 |
次に元日に月食が起きるのは19年後の2029年で、このときは皆既月食になります。
なお月食シミュレーションは、拙作Calend Mateに組み込んでいる天体位置の推算機能を使った別プログラム(非公開)を作成して実行しました。食分値に若干の誤差が生じています。
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