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東京府のマンホール【1】

千駄ヶ谷町のマンホールが現存している場所に近い千駄ヶ谷3丁目の明治通り(東京都市計画道路幹線街路環状第5号線・東京都道305号芝新宿王子線)の歩道上に東京府のマンホールが残っています。

mark manhole

この蓋のデザインは名古屋市型と呼ばれるもので、東京市型と呼ばれるJIS標準模様とは異なっています。そして中央部分には東京府章ではなく「東」の字が書かれています。「マンホールのふた<日本篇>」(林丈二氏著)には「渋谷区千駄ヶ谷の明治通りの歩道上に12枚ある。」と書かれていますが、現存するものはこの1枚だけのようです。

風景

明治通りの建設工事は大正13年(1924年)大正12年(1923年)1月に着手し、昭和6年(1931年)5月に一部を除いて昭和8年(1933年)9月に全線竣工しました。また東京府章は昭和6年に制定されていますので、府章が入っていないこの蓋はそれ以前に製造されたものと考えられます。これらのことから、このマンホールの蓋は明治通りの工事の際に設置されたと言えます。

【参考文献】
來島良亮(東京府土木部長): "東京都市計劃事業の沿革", 土木建築工事畫法, 第9巻第6号, pp.33-37(昭和8年6月)
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