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東京府のマンホール【4】

甲州街道(国道20号、東京都市計画道路幹線街路放射第5号線)の大原交差点と松原交差点間の世田谷区松原1丁目に東京府のマンホールが3個残っています。

mark

manhole

デザインは東京市型と呼ばれるJIS標準模様で、中央部分の府章の縦棒はマンホールの地模様の線と同じ太さとなっています。しかし周囲の模様の線幅は、八幡通り(東京都市計画道路幹線街路補助線街路第20号線)や明治通り(東京都市計画道路幹線街路環状第5号線・東京都道305号芝新宿王子線)で見られる同型のものより細目となっています。

風景

松原交差点以東の甲州街道は、昭和6年(1931年)から昭和8年(1933年)にかけて拡幅および整備工事が行われました。この蓋はこのときに設置されたものと考えられます。

この整備工事に合わせて、昭和6年10月より和泉給水所から淀橋浄水場へ送水するための大鋼管(内径2100粍)を甲州街道に埋設する工事が行われました。そして昭和12年(1937年)に送水経路が玉川上水新水路から切り替えられ、用途廃止となった新水路は水道道路(東京都市計画道路幹線街路補助線街路第61号線、東京都道431号角筈和泉町線)として整備されました。

【参考文献】
小野基樹(東京市水道局擴張課長): "東京市水道の導水路改築工事 主として鋼管接手の現場鎔接に就て", 土木建築工事畫法, 第8巻第4号, pp.4-12(昭和7年4月)

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【2012.12.31追記】
歩道整備工事により、3枚とも現行の東京都下水道局の蓋に交換されていることを確認しました。

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