警察電話のマンホール
警察電話は警察の業務専用通信回線のことで、企業等における内線電話のようなものです。この警察電話の蓋が千代田区皇居外苑の内堀通り(東京都道301号白山祝田田町線)と行幸通り(東京都道404号皇居前東京停車場線)の交差点に存在します。
蓋は角型の2枚組で、その地紋は戦前から昭和20年代にかけて設置された通信系のマンホール蓋に多く見られる二の字模様です。中央部には「警」の字とその両側に右書きで「電話」と書かれています。
行幸通りは大正13年(1924年)9月に着工し、大正15年(1926年)7月に竣工した幅73m、総延長200mの道路で、天皇の行幸と信任状捧呈式に向かう外国大使の送迎の車馬が通行するための道路でした。このため、戦前において警察電話敷設のために掘り返すとは考え難いので、この蓋の設置も工事に合わせて設置されたと考えられます。
この蓋から南に約70mほどの地点にも警察電話の蓋があります。一見、同じ蓋のように見えますが、こちらの蓋は二の字模様の線が太くなっています。
【参考文献】
"行幸道路の壮観", 土木建築工事畫法, 第2巻第12号, pp.24-25(大正15年12月)
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