野川沿いの東京市制水弇
野川に架かる荒玉水道道路(東京都道428号高円寺砧浄水場線)の水道橋の両岸に東京市水道局の制水弇角蓋があります。
この蓋の地紋は、東京市の市章を合成して作られた亀甲型パターンで、制水弇の文字が左書きになっています。左岸側の蓋の地紋は右岸側のものより細かくなっています。また右岸側の蓋には花崗岩製の縁塊が付いています。
荒玉水道道路(赤線)が開通した昭和9年(1934年)当時、野川は現在より南側(水色実線)を流れており、道路は現在の多摩堤通り(東京都道11号大田調布線)との交差点付近で野川を渡っていました。昭和40年(1965年)前後に行われた野川改修工事で現在の流路(水色点線)になり、旧流路は世田谷区立次太夫堀公園として整備されました。
このため道路開通時に、今の場所に制水弇があったとは考え難いです。その上、現在の橋が架橋された昭和40年頃にはこの地紋の蓋は製造されておらず、花崗岩製縁塊もすでに使われていませんでした。これらのことから、野川改修工事の際に旧橋付近から制水弇ごと移設されたと考えられます。
【関連記事】
推定・渋谷町水道の弁蓋 (2012.02.03)
東京市仕様の混凝土製弁蓋 (2012.02.01)
荒玉水道の制水弁 (2011.08.18)
渋谷町水道のマンホール (2011.06.24)
荒玉水道のマンホール (2011.06.21)
代々幡町水道の制水弇【2】:目黒区大橋2丁目 (2011.04.28)
代々幡町水道の制水弇【1】:渋谷区笹塚1丁目 (2010.11.03)
東京市の阻水弇 (2009.11.17) [ 撤去済 ]
| 固定リンク
「 マンホール・標石」カテゴリの記事
- 東京消防庁の初期型マンホール(2024.02.22)
- 松原町の逓信省境界標(2023.11.14)
- 千住の江戸川上水町村組合水止栓(2023.10.16)
- 小川町3丁目の看板建築と阻水弇(2023.04.24)
- 駒澤町大字上馬(2023.02.27)
「 川・水路・暗渠」カテゴリの記事
- 下谷区の痕跡【現存建物篇】(2023.10.09)
- 滝坂道 大石橋の日本廻国供養之石塔(2023.02.01)
- 蟹川源流と東京府のマンホール(2023.01.15)
- 東京市電角筈線の専用軌道跡(2023.01.02)
- 東京市の混凝土製弁蓋と狸橋(2022.11.26)