池ノ上駅の広告跡
- 宮田家具店
- 原ボタン店
- 永樂信用金庫北沢支店
- 下北沢漢方堂
- サンケー質店
の順で並んでいます。
一番左側にある宮田家具店の広告には「北沢本通り中央」の文字も見えます。宮田家具店は下北沢一番街で昭和21年 (1946年) に開店し、平成17年 (2005年) 9月に閉店しました。原ボタン店では「●沢乃湯前」、「電話(41)●一七〇番」の文字が読み取れます。判読できなかった部分は●で表しています。
永樂信用金庫の広告には文字の跡が結構残っています。永樂信用金庫は大正11年 (1922年) に設立され、平成10年 (1998年) 3月16日に大恵信用金庫と第一信用金庫を合併、わかば信用金庫と改称しました。平成12年 (2000年) 4月21日に経営破綻、翌年2月26日に昭和信用金庫など9信用金庫に事業譲渡し解散しました。
創業三十五年
本店 中央区築地三八
支店 中央区●島 台東区浅草
北沢三丁目九九九番 北沢本通り中央
電話●沢(32) 四●●六
下北沢漢方堂の広告からは「下北沢南口下車・丸井百貨店前」「電話(414)5541」が読み取れます。丸井百貨店は後年丸井系のアウトレット店になりましたが、平成20年 (2008年) 9月28日に閉店しました。一番右側のサンケー質店は劣化により文字がほとんど判読できません。
昭和31年 (1956年) 7月27日の松沢局で3桁局番328局の開始以降、東京23区内では2桁局番と3桁局番が併用されていましたが、昭和35年 (1960年) 2月7日に2桁局番 (03-CD-FGHJ) の末尾に1が付加されて3桁局番 (03-CD1-FGHJ) になりました。そして平成3年 (1991年) 1月1日に従来の局番の頭に3が付加 (03-CDE-FGHJ→03-3CDE-FGHJ) されました。
永樂信金の広告中の 創業三十五年
の文言、下北沢漢方堂の電話番号の局番である世田谷414局の開始が昭和32年 (1957年) 12月15日であること、2桁局番である世田谷41局と松沢32局が併用されていることから、これらの広告の制作時期は昭和33年 (1958年) の上半期と考えられます。
- 【改訂】
- 永樂信用金庫の住所を訂正、事業譲渡を追記 (2023.01.13)
- サンダー質店をサンケー質店に訂正 (2023.01.28)
- 2桁局番と3桁局番の併用並びに広告の制作時期について追加修正 (2023.01.29)
- 世田谷414局の開始日と備忘録記事へのリンクを追記、広告制作時期を修正 (2024.01.02)
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