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高田町のマンホール【1】

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明治22年(1889年)5月1日に東京府北豐島郡高田村、高田千登世町、高田若葉町、雑司ヶ谷村、雑司谷旭出町、高田豐川町と小石川区雑司谷町および巣鴨村、下落合村等の各飛地を併合して高田村が誕生しました。大正9年(1920年)4月3日に町制を施行して北豐多摩郡高田町となりました。その後、昭和7年(1932年)10月1日に北豐島郡巣鴨町、西巣鴨町、長崎町とともに東京市に編入され豐島區になりました。

高田町の下水道整備事業は昭和6年(1931年)5月23日に認可されました。そして昭和13年(1938年)度完成予定で工事が進められました。高田町の東京市編入時には全体の17%が竣工、残りの整備事業は東京市に引き継がれ、昭和13年(1938年)に竣工しました。

風景

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豊島区高田3丁目の明治通り(東京都道305号芝新宿王子線・東京都市計画道路幹線街路環状第5の1号線)が神田川を跨ぐ高戸橋北詰の西側歩道上に高田町のマンホールが1枚残っています。デザインは名古屋市型で、中央に高田町章が描かれています。

風景

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この蓋から池袋方面に進むと、明治通りの東側に都電荒川線の学習院下電停があります。この電停脇の歩道上にも高田町のマンホールが1枚残っています。デザインは上述の高戸橋北詰のものと同じです。

この辺の明治通りの街路構築工事は昭和6年(1931年)9月17日に着工、昭和8年(1933年)4月20日に竣工していますので、これら2枚の蓋は工事の際に設置されたものと考えられます。

【参考文献】
北豐島郡農會 『北豐島郡誌』 大正7年11月10日
東京市役所 『市域擴張記念 大東京概觀』 昭和7年10月1日
高田町教育會 『高田町史』 昭和8年4月30日
東京市役所 『東京市市政年報 下水道篇 昭和十二年度』 昭和14年3月
來島良亮(東京府土木部長): "東京都市計劃事業の沿革", 土木建築工事畫法, 第9巻第6号, pp.33-37(昭和8年6月)
上村爲人(東京府土木部技師): "舊高田町地内都市計畫道路高低交叉に就て", 土木建築工事畫法, 第9巻第7号, pp.13-17(昭和8年7月)
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