駒込界隈の荒玉水道水止栓
JR駒込駅前を通る本郷通り(東京都道455号本郷赤羽線・東京都市計画道路幹線街路放射第10号線)の歩道上に、荒玉水道町村組合の水止栓が3個残っています。
JR駒込駅のすぐそばにある豊島区立染井吉野桜記念公園の植込みの中に、昭和初期に建設された先代の駒込橋の欄干が保存されていますが、この欄干の説明板はありません。駒込橋は山手線に架かっている本郷通りの跨線橋で、現在の橋は地下鉄南北線工事に伴い、平成3年(1991年)に架設されました。
ここから本郷通りを北に約100mほど行った豊島区駒込2丁目の東側歩道上に荒玉水道の水止栓が残っています。この蓋は蝶番のないタイプで、表面に組合章と右書きの「水止栓」の文字があります。
そのまま本郷通りを北に進むと西側に「亀の湯」があります。「亀の湯」は千鳥破風と正面入口の唐破風の下に鳳凰彫の懸魚がある破風造り建築です。この様式の銭湯建築は大正12年(1923年)の関東大震災以降の震災復興期に流行りました。
亀の湯を通り過ぎると北区西ヶ原1丁目に入り、霜降橋交差点(霜降銀座商店街入口)先のアーケード下の東側歩道上に水止栓が残っています。この蓋は駒込2丁目の蓋と同じ様式で、表面にはモルタル状のものが付着しています。
ここから更に100mほど北進した所の西側にある「ことぶき地蔵尊」の前にも荒玉水道の弁蓋が残っています。この蓋の表面は磨耗が激しく、紋章は判別できますが、文字を読み取ることができません。
近くには都立旧古河庭園があります。この庭園は明治の元勲である陸奥宗光の別邸で、次男が古河財閥の養子になったときに古河家の所有になりました。戦後、国有となり、東京都が無償で借り受け、昭和31年(1956年)4月30日に一般公開されました。
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