大久保町水道の水止栓
大久保町水道は昭和2年(1927年)1月に工事の認可を受け、3月に着工、5月に竣工しました。
水道事務所は大久保町大字西大久保字仲通263番地の大久保町役場内に置かれました。この第1期工事では、
本町を南北に從貫せる東京市水道口經三十三吋配水本管より鐵管を分岐敷設し以て天神、戸山、大久保の各小學校及町役場の飲料水を供給し、併せて鐵管埋設線路に沿ひ二十一個の消火栓を設置
をしただけで、町内各戸への配水までは行われませんでした。このため、昭和2年(1927年)11月の町會で第2期工事として全町に水道敷設の議を決議し、主務官庁に工事認可の稟請を行いました。そして昭和4年(1929年)2月21日に認可を受け、昭和6年(1931年)3月に竣工しました。
東京市水道局からの取水分岐は大久保町大字西大久保字仲通309番地先の33吋(838.2mm)管(右図内の太線)から行われました。
新宿区大久保1丁目の住宅街に大久保町の水止栓が残っています。蝶番部のない小蓋で、「水」の周囲を「大」「上」が囲んでいる形の紋章が描かれています。
なお、明治通り(東京都道305号芝新宿王子線・東京都市計画道路幹線街路環状第5の1号線)大久保通りバス停前の大久保町の止水栓はすでに撤去されていました。
- 【参考文献】
- 東京市役所 『隣接五郡に於ける上水道に關する調査』 昭和7年6月
- 東京市役所 『東京市市政年報 水道篇 昭和十二年度』 昭和14年3月
- 【関連記事】
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- 大久保町のマンホール【1】:新宿区歌舞伎町2丁目 (2012.11.22)
- 【改訂】
- 水止栓の写真を差し替え(2013.07.09)
- 【2014.03.04追記】
- 馬明さんによりますと、2013年11月の時点で既に撤去されていたとのことです。
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