東京府のコンクリート製マンホール【2】

渋谷区松濤2丁目の山手通り（東京都道317号環状六号線・東京都市計画道路幹線街路環状第6号線）の歩道上に東京府のコンクリート製マンホールが3個残っていました。しかし、首都高速中央環状新宿線（東京都道首都高速目黒板橋線・C2）の山手トンネル建設工事と山手通りの街路整備工事に伴い、2009年に交換ないしは撤去され現存していません。

3個のうち2個は東側歩道上にありました。蓋の形状は目黒区青葉台1丁目の旧山手通り（東京都道317号環状六号線・東京都市計画道路幹線街路補助線街路第25号線）の蓋とは異なっていました。現在では東京都下水道局の現行蓋に交換されています。

西側歩道上には1個残っていましたが、下水管移設工事が行われたため、現在では跡形もなくなってしまいました。この蓋の傍にあるコンクリート製の構造物は三田用水の樋で、昭和4～10年（1929～1935年）の暗渠化時に建造されました。

暗渠化された三田用水のこの区間だけが樋状になった理由は、昭和8年（1933年）8月1日に開業した井の頭線の神泉トンネル（単線延長530m）の土被りが小さく、トンネルの上を跨ぐために流路の勾配を設定したためでした。

樋には点検用のコンクリート蓋と通風孔状の孔（神山分水口）があり、ここで三田用水神山分水路が分流していました。神山分水は渋谷区立鍋島松濤公園の池からの流れである松濤支流に注いでいました。そして松濤支流は神泉駅方面から流れてきた神泉支流と合流し、渋谷警察署宇田川町交番近くで渋谷川支流の宇田川に合流していました。

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