東京府のマンホール【5】
渋谷区猿楽町のデンマーク大使館前の旧山手通り(東京都道317号環状六号線・東京都市計画道路幹線街路補助線街路第25号線)歩道上に東京府のマンホールが3個残っています。
デザインは渋谷区初台1丁目の甲州街道や杉並区和田3丁目の青梅街道上に残っているものとほぼ同型ですが、放射線と同心円の交点の通気孔がなく、東京府章の中央部に孔があります。3個のうちの1個は何らかの理由で東京府章が削り取られています。
ここにはかつて三田用水が流れていました。これらの蓋がある付近で三田用水猿楽分水路が分流していました。この分水路は東急東横線代官山駅方面に流れ、新坂橋を経由して渋谷川に注いでいました。
昭和4年(1929年)から昭和10年(1935年)にかけて大日本麦酒株式会社(現:サッポロホールディングス、アサヒグループホールディングス)の手によって三田用水が暗渠化され、跡地は東京府道環状道路第六号の用地として転用されました。そして昭和14年(1939年)4月に渋谷区八幡通三丁目(現:鑓ヶ崎交差点)-代々木富ヶ谷町(現:東大裏交差点付近)間が開通しました。
旧山手通りの反対側にある蔦谷書店前の歩道の植込みの中に、初台1丁目や和田3丁目に残っている鉄蓋と同型の東京府章部に孔がない鉄蓋が1個だけ残っています。なお、世田谷区松原1丁目の甲州街道上にあった同型の3個の鉄蓋は全て撤去され、東京都下水道局のデザイン蓋に交換されてしまいました。
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