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京王線開業100周年

京王8002F

大正2年(1913年)4月15日に京王線の笹塚-調布間(7哩48鎖=12.2km)が開業してからちょうど100年になります。

明治38年(1905年)12月12日に渡邉熊之進氏等を発起人とする日本電氣鐵道株式會社が、蒲田-調布-府中-立川(21哩=33.8km)と内藤新宿參丁目-府中(9哩=14.5km)に電気鉄道を敷設する出願をしました。

京王7001F

渡邉氏は、明治29年(1896年)11月18日に出願された玉川砂利電氣鐵道の発起人の1人であり、明治36年(1903年)10月4日に(旧)玉川電氣鐵道と合併して設立された玉川電氣鐵道の専務取締役でしたが、明治38年8月15日に退任しています。

明治39年(1906年)8月18日に社名を日本電氣鐵道株式会社から武藏電氣軌道株式會社に改称し、以下の4路線を出願しました。

一、東京府豊多摩郡内藤新宿町參丁目五拾五番地に起り、淀橋町、代々幡村、和田堀ノ内村、高井戸村、荏原郡松澤村、豊多摩郡高井戸村、北多摩郡千歳村、神代村、調布町、多磨村、府中町、西府村、谷保村、立川村、南多摩郡日野町、小宮町を經て八王子町大字千人小字追分二十六番地地先に到る。此延長貳拾四哩拾參鎖(道路)

二、東京府北多摩郡府中町字新宿北九千百七拾五番地イ號地先に起り、國分寺村大字國分寺字殿ヶ谷戸(國分寺停車場)に到る。此延長貳哩貳拾鎖(道路)

三、東京府北多摩郡立川村大字下立川千四百六拾九番地に起り、同村字中古新田參千百六番地(ロ號)に到る。此延長壹哩(道路)

四、東京府北多摩郡調布町大字國領參百八拾九番地先に起り、狛江村、砧村、千歳村、荏原郡玉川村、調布村、池上村、矢口村を經て蒲田村大字女塚字川田耕地四百貳拾番地に到る。此延長拾壹哩(專用)

風景

明治40年(1907年)6月25日に内務省東甲第四一號で第4項を除く路線の特許が下付されました。その後、他に武藏電氣鐵道株式會社と称する会社が創立されたため、明治43年(1910年)4月12日、京王電氣軌道株式會社に社名を改めました。そして明治45年(1912年)6月8日に調布尋常高等小学校(現在の調布駅南口広場)で起工式が行われました。

駅

笹塚-調布間の開業時に設置された駅は、笹塚、代田橋、火藥庫前(明大前)、下高井戸、上北澤、上高井戸(芦花公園)、烏山(千歳烏山)、下仙川(仙川)、金子(つつじヶ丘)、柴崎北浦(国領)、調布の12駅でした。このうち、現在でも位置が変わっていない駅は笹塚、代田橋、芦花公園、千歳烏山だけです。

京王1形

開業時の車両は車体長8mの直接制御式四輪単車である1形でした。架線は木柱を使った直接吊架式でしたが、昭和3年(1928年)に鉄塔もしくは鉄柱によるカテナリー吊架式に改良されました。このとき建柱された架線柱は千歳烏山-仙川間や上北沢駅構内に残っています。

発電所

笹塚-調布間の開業と同時に、新宿-笹塚、調布-国分寺間に連絡バスが運行されました。これは東京における路線バスの嚆矢になります。また鉄道の開業に先立ち、大正2年1月1日に府中火力発電所が稼動し、北多摩郡調布町、多磨村、府中町、西府村に電燈用の電気供給が開始されました。

変電所

map

電車運転用の電力は、東京電燈淀橋変電所(現:東京電力淀橋変電所)から3500Vで最大125kWの三相交流を笹塚変電所で受電し、直流600Vに変換していました。両変電所間を結ぶ送電線の亘長は1.7哩(2.74km)でした。

京王デハ2410

ところが開業後の営業成績は芳しくなく、資金調達も困難な状況に陥ったため、大正4年(1915年)6月24日の第10回定時株主総会において玉川電氣鐵道取締役兼支配人であった井上篤太郎氏が専務取締役に就任し、経営の立て直しが行われました。井上氏は昭和19年(1944年)の東急電鉄による吸収合併まで京王電氣軌道の経営に携わりました。

【参考文献】
京王電気軌道株式会社 『京王電氣軌道沿線遊覧案内』 大正2年
田鍋一二事務所編纂 『京王電車囘顧十五年』 大正15年1月20日
斯波武編纂 『京王電車囘顧二十年』 昭和5年
東京電燈株式會社 『東京電燈株式會社開業五十年史』 昭和11年8月23日
京王電気軌道株式会社 『京王電氣軌道株式會社三十年史』 昭和16年2月20日
世田谷区立郷土資料館 『玉電-玉川電気鉄道と世田谷のあゆみ』 平成元年12月13日
調布市郷土資料館 『京王線100年と調布-1世紀の時間旅行』 平成23年8月
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