下北沢跨線鉄道橋
ガーダーの形状は、両端が上路式、真ん中が下路式となっています。
小田急線下り線を跨いでいた渋谷方のガーダーは、昭和34年8月に松尾橋梁東京工場で製作されました。このガーダーの渋谷方の橋脚部には帝都電鐵時代の帰電線碍子が残っています。
真ん中のガーダーは小田急の下りホーム上に架かっていました。その銘板には、
1978年3月
京王帝都電鉄株式会社
下北沢駅小田急線乗越橋梁
活荷重KS-12 受間4M300
松尾橋梁株式会社千葉工場
と書かれています。
橋脚は2基とも下りホーム上に建っていました。帝都電鐵澁谷線開業前の写真でも上下線間に2基の橋脚が建っているのが読み取れます。この開業前の写真と照合すると、渋谷方ガーダーと共用している橋脚が開業時のものと見受けられます。
上り線を跨いでいた吉祥寺方のガーダーは、渋谷方ガーダーより早い昭和32年に松尾橋梁東京工場で製作されています。このとき、直下では小田急線のホーム延伸工事が行われていましたので、橋脚の建て替えが同時に行われたと考えられます。
下北沢駅付近改良工事の進捗に伴い、3月までにこの箇所の軌道が仮橋脚化され、既存の橋脚が撤去される予定となっています。同時にこれらのガーダーも撤去されてしまう可能性があります。
- 【参考文献】
- "戦前・戦後 井の頭線のアルバム", 鉄道ピクトリアル, 578, pp.93-95(1993年7月)
- 【関連記事】
- 帝都電鉄のガーダー橋【2】 (2014.01.13)
- 帝都電鉄のガーダー橋【1】 (2014.01.07)
- 惜別・小田急下北沢駅 (2013.03.22)
- 帝都電鉄の受電線碍子 (2013.03.21)
- 下北沢駅付近改良工事 (2012.01.26)
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- 帝都電鉄時代の架線柱 (2010.09.04)
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