« 東急並木橋駅跡の解体 | トップページ | 新宿駅のホームドア【6】 »

笄川の燈光蓋

橋

古川水系渋谷川の支流である笄川は、東京地下鉄銀座線外苑前駅近くの港区南青山2丁目の梅窓院附近を谷頭とし、外苑西通り(東京都道418号北品川四谷線・東京都市計画道路幹線街路環状第4号線)に沿って流れ、天現寺橋で渋谷川に合流する河川です。天現寺橋は昭和10年(1935年)3月に竣工した橋です。

map

日本赤十字社医療センターから下ってくる堀田坂より下流部分は渋谷区と港区の境界となっています。昭和7年(1932年)10月1日以前は豐多摩郡澁谷町と東京市麻布區との境になっていました。右の地図の久邇宮邸や福田會育兒院(現:福田会東京本院・宮代学園)の脇の二点鎖線が境界で、東側が麻布區になります。

風景

大正12年(1923年)3月に東京市下水課は笄川の下水道幹線化を計画しました。そして堀田坂~広尾橋間が昭和8年(1933年)、広尾橋~天現寺橋間が昭和12年(1937年)に暗渠化されました。下水道台帳には幅3.11m、高さ2.42mのRC構造の矩形渠である青山幹線として記載されています。

manhole

渋谷区広尾4丁目のオマーン国大使館近くの笄川暗渠に東京市の燈孔蓋が1枚残っています。この蓋は下水道台帳に燈孔として記載されています。蓋は相当磨耗していますが、旧文部省庁舎前の燈孔蓋と同型です。この蓋が設置されたのは笄川の暗渠化時と考えられます。

【参考文献】
東京市下水道課 『東京市下水道計畫平面圖』 大正12年3月
渋谷区教育委員会 『渋谷の橋』 平成8年9月30日
白根記念渋谷区郷土博物館・文学館 『「春の小川」が流れた街・渋谷 -川が映し出す地域史-』 2008年9月29日
【関連記事】
御成門の燈孔蓋とマンホール (2014.03.12)
旧文部省庁舎前の逓信省マンホールと燈孔蓋 (2014.03.09)
大崎町の燈孔【2】:品川区大崎4丁目 (2013.07.27)
大崎町の燈孔【1】:品川区上大崎1丁目 (2013.07.24)
千駄ヶ谷町の燈孔:代々木川 (2011.07.12)
渋谷駅東口に現れた渋谷川  (2014.03.08)
東急百貨店東横店東館閉館 (2013.04.07)
春の小川100年:河骨川 (2012.03.01)
東京府の消火用吸水孔:穏田川 (2011.06.18)

|

« 東急並木橋駅跡の解体 | トップページ | 新宿駅のホームドア【6】 »

マンホール・標石」カテゴリの記事

川・水路・暗渠」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 笄川の燈光蓋:

« 東急並木橋駅跡の解体 | トップページ | 新宿駅のホームドア【6】 »