滝坂道の渋谷町水道弁蓋
滝坂道は東京都道423号渋谷経堂線と東京都道118号調布経堂停車場線の原型となった道で、甲州道中出道とも呼ばれていました。このうち、世田谷区船橋5丁目35番地先の三叉路以東は奈良時代に整備された武蔵国府(府中)と江戸方面を結ぶ府中道の一部で、以西は江戸時代初期の甲州街道開設時に造られた道です。
渋谷付近の滝坂道は、現在の道玄坂(渋谷特別区道第1046号路線・東京都市計画道路幹線街路放射第4号線)の道玄坂上交番前交差点から淡島通り(東京都道423号渋谷経堂線・東京都市計画道路幹線街路補助線街路第52号線)の松見坂交差点西側にあった空川に架かる遠江橋に至る地図中の赤線のルートを辿っていました。赤点線で示した新遠江橋以東の淡島通りは道は大正2年(1914年)に整備されました。
三田用水から遠江橋までの滝坂道は分断されてしまいましたが、山手通り(東京都道317号環状六号線・東京都市計画道路幹線街路環状6号線)西側の側道と淡島通り南側の側道としてかろうじて残っています。
渋谷区円山町内の滝坂道に渋谷町水道の弁蓋が1枚残っています。蓋は磨耗していて、かろうじて凹凸が判る状態ですが、上部と横に並んだ凸部が渋谷町水道の弁蓋の特徴と一致しています。
- 【参考文献】
- 世田谷区教育委員会 『世田谷の地名』 昭和59年3月10日
- 渋谷区教育委員会 『渋谷の橋』 平成8年9月30日
- 調布市教育委員会 『調布市文化財調査報告書 調布の古道·坂道·水路·橋』 平成13年12月10日
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