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朔旦冬至

今日は、太陽黄経が270°となる冬至と太陽と月の位相差が0°となる朔が同じ日に起こる朔旦冬至の日で、19年ぶりの現象です。冬至は08:03(本記事の公開時刻)に、朔は2時間半後の10:35に起こります。

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北半球では、冬至は太陽の南中高度が最も低く、1年の間で昼が最も短く夜が最も長くなる日になります。この日以降、昼が徐々に長くなっていくため、古代から洋の東西を問わず各地で冬至祭が行われていました。

中国では冬至を暦計算の起点としており、冬至を含む月を11月としていました。

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ローマ帝国では、冬至(当時は12月25日)にミトラ教のDies Natalis Solis Invicti(不敗の太陽の誕生日)として祝われていました。また、古代のゲルマン民族でも冬至祭Yule(ユール)が行われていました。これらの慣習を取り入れる形で、12月25日をキリストの降誕を祝う日として、325年5月20日から6月19日にかけて行われたニカイア(ニケア)公会議において決定されました。

朔日は新月の日で、月の復活が始まる日となります。旧暦である太陽太陰暦では朔日が月の始まりである1日となります。

その太陽が復活する冬至と、月が復活する朔日が重なった特別な日が朔旦冬至です。

冬至の周期である太陽年(365.242194日)の倍数と、朔望の周期である朔望月(29.530589日)の倍数がほぼ一致するのは、

  • 19太陽年 = 6939.601686日
  • 235朔望月 = 6939.688415日

となるため、朔旦冬至は19年ごとに起こることになります。古代中国の暦では、この19年を章と称し、朔旦冬至の年を章首と呼びました。朔旦冬至が19年毎に起こることは、暦が正確であり、政治が正しく行われている証であるとして朔旦冬至祝賀が盛大に行われました。

ところが、19太陽年と235朔望月との差は約0.086729日(2時間4分53秒)ですので、219年経過するとほぼ1日ずれてしまいます。また冬至の瞬間と朔の瞬間が日界を跨ぐこともありますので、正確に19年ごとに起こるというわけではありません。

1870年~2099年の期間では朔旦冬至の系列が2つあります。1つ目の系列では12回中、明治3年(1870年)と昭和59年(1984年)の2回だけ朔旦冬至になります。

冬至と朔日(1)
冬至
187012.22 09:1312.22 21:18
188912.21 23:5212.22 21:52
190812.22 14:3412.23 20:49
192712.23 05:1812.24 13:13
194612.22 19:5212.23 22:06
196512.22 10:4112.23 06:02
198412.22 01:2312.22 20:46
200312.22 16:0312.23 18:43
202212.22 06:4812.23 19:16
204112.21 21:1712.23 17:06
206012.21 12:0112.23 07:39
207912.22 02:4512.23 15:31
209812.21 17:2212.23 00:25

もう1つの系列では12回中6回が朔旦冬至になります。表中の2033年は旧暦2033年問題が生じる年であり、朔日の12月22日が旧閏11月1日になるので朔旦冬至に準ずる年と言ってもいいかもしれません。

冬至と朔日(2)
冬至
188112.22 01:0112.21 14:07
190012.22 15:4212.22 09:00
191912.23 06:2712.22 19:54
193812.22 21:1312.22 03:06
195712.22 11:4912.21 15:11
197612.22 02:3512.21 11:07
199512.22 17:1712.22 11:22
201412.22 08:0312.22 10:35
203312.21 22:4412.22 03:46
205212.21 13:1712.21 13:14
207112.22 04:0512.21 20:47
209012.21 18:4512.21 10:30

これらの冬至と朔日の計算にはCalend Mateを使用しました。

次回の朔旦冬至は38年後の2052年に起こります。

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