銀蔵橋と高井戸線
橋の南側の右親柱には「ぎんざうばし」と書かれていますが、「ば」の字は変体仮名で表されています。また、北側の右親柱には「銀藏橋」、北側と南側の左親柱には「昭和八秊七月造」と書かれています。「秊」は「年」の異字体です。
- 銀蔵橋の親柱
銀蔵橋は古レールにより造られているため、袂には、
この橋の設計荷重は2t車未満です。
2t車以上の車両は通り抜けできません
と書かれた看板が建っています。
銀蔵橋の久我山方には、井の頭線に蓋をする形で久我山変電所(1964年運用開始)がありました。しかし、2009年度に新設された高井戸変電所にその機能が移転されたため、久我山変電所は閉鎖されました。さらに2010年度には、三鷹台1号踏切西側の旧三鷹台駅跡に三鷹台変電所も新設されました。
久我山変電所跡の脇には、東京電力千歳変電所と和田堀変電所を結ぶ高井戸線(66kV、2回線)のNo.16鉄塔が建っています。高井戸線の前身は鹿留水力発電所から目白変電所(2007年廃止)までを結んだ日本初の77kV長距離送電線である谷村線で、大正2年(1913年)に送電を開始しました。ところが昭和30年頃に系統が分断され、高井戸線に編入されました。
久我山変電所には高井戸線No.16鉄塔で分岐した京王久我山線が引き込まれていました。
※文献によっては跨線橋の名称を「銀荘橋」としているものもありますが、親柱に書かれている文字から「銀蔵橋」であると判断しました。
- 【参考文献】
- 京王電鉄広報部 『京王電鉄五十年史』 平成10年12月1日
- 京王電鉄車両電気部電力課: "変電・電力設備の概要", 鉄道ピクトリアル, 893, pp.64-67(2014年8月)
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