円周率の日
3月14日は、3.14と表すことができることから円周率の日となっています。
円周率
円周率 (pi) は、円周の長さの直径に対する比率として定義される数学定数で、ギリシア文字のπで表されます。その値は無理数で、小数点以下30桁の値は以下の通りです。
古来、円周率として様々な値が求められてきました。アルキメデス(Ἀρχιμήδης、BCE287年~BCE212年)はπの値を以下のように求めました。
この不等式中の分数の値は以下の通りです。
南北朝時代の宋・斉の数学者、暦学者である祖冲之(元嘉6年・429年~永元2年・500年)は、円周率の値の密率として次の値を、約率(近似値)として22/7を求めました。
時代は下って14世紀のインド・ヴィジャヤナガル王国の天文学者・数学者であるマーダヴァ(Mādhava, 1340年~1425年)はπの級数展開を発見しました。
この級数展開は1674年に神聖ローマ帝国の哲学者・数学者であるライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz, 1646年~1716年)によって再発見されたため、ライプニッツの公式と呼ばれています。
ところが、この公式は収束が遅いため、イングランドの天文学者マチン(John Machin, 1680年頃~1751年)は収束性をよくすることを試みました。その結果、1706年にマチンの公式を見出しました。
arctan(x)の級数展開は、1400年頃にマーダヴァが発見し、1671年にスコットランドの数学者・天文学者であるグレゴリ(James Gregory, 1638年~1675年)が再発見したグレゴリ級数で与えられます。
近年になって、電子計算機の発達により計算された円周率の桁数が飛躍的に増大し、現在では13兆桁を超えました。
日付と時刻の組み合わせ
3月14日の日付と時刻を組み合わせると、1時59分26秒と15時9分26秒には3.1415926と小数点以下7桁の値と一致します。
日付を「(月)/(日)/(西暦年の下2桁)」のアメリカ式で表すと、今年の3月14日は3/14/15と表されます。これに時刻を組み合わせると、9時26分53秒には3.141592653と小数点以下9桁まで一致します。これは100年に一度だけ起こります。
神武天皇即位紀元(皇紀)の下2桁を用いてアメリカ式表記にした場合、皇紀2715年(西暦2055年)3月14日9時26分53秒が小数点以下9桁まで一致する日時となります。
ISO 8601 "Data elements and interchange formats – Information interchange – Representation of dates and times"準拠の年-月-日-時-分-秒の順で日付表記をした場合、それぞれの記年法において、
- 西暦3141年5月9日2時6分53秒
- 西暦314年1月5日9時26分53秒★
- 平成31年(2019年)4月15日9時26分53秒
- 昭和31年(1956年)4月15日9時26分53秒
- 明治31年(1898年)4月15日9時26分53秒
- 応永31年4月15日(ユリウス暦1424年5月13日)9時26分53秒
- 皇紀3141年(2481年)5月9日2時6分53秒
- 皇紀314年(BCE347年)1月5日9時26分53秒★
- 主体31年(1942年)4月15日9時26分53秒★
- 民國31年(1942年)4月15日9時26分53秒
等で小数点以下9桁まで一致します。★を付加した日付は実際の記年法として使用されていなかった時期のものです。
究極の日
yyyy年mm月dd日hh時nn分ss秒をアメリカ表記で解釈した場合はm.mddyyyyhhnnss、ISO 8601準拠で解釈した場合はy.yyymmddhhnnssと小数点以下13桁となりますが、どちらの表記でもこれに該当するものはなさそうです。
桁数が一番多くなるのは1592年3月14日6時53分58秒をアメリカ式で表記した3/14/1592 6:53:58の場合で、小数点以下11桁まで一致しています。
数学とパイ
円周率の日にちなんで、1997年に財団法人日本数学検定協会は3月14日を「数学の日」と制定しました。また2002年から日本パイ協会が「3.14 = π(パイ)の日®」と称したキャンペーンを関西で展開しています。
最後に
この記事の公開日時は3月14日1時59分、即ち3.14159です。
- 【改訂】
- Google Chart APIのImage Chartサービス終了により、数式表示をMathMLに変更 (2024.04.14)
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