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今世紀最短の皆既月食

4月4日(土)の夜に皆既継続時間が今世紀最短である皆既月食がありましたが、東京では雲量10の曇天だったため観測できませんでした。

食甚

今回の皆既月食は月食Saros 132(延徳4年4月16日・JC1492年5月12日~2754年6月27日)に属しています。

国立天文台によりますと、今回の食の推移等は下表の通りで、食甚時の食分は1.005でした。

4月4日の皆既月食(Saros 132)
時刻状況
17:55月出(東京)
17:59.7半影食開始
18:04日没(東京)
19:15.4本影食開始(第1接触)
20:54.2皆既食開始(第2接触)
21:00.2食の最大(食甚)
21:05
21:06.4皆既食終了(第3接触)
22:45.1本影食終了(第4接触)
00:00.8半影食終了

1つの月食Saros系列は、半影食→部分月食→皆既月食→部分月食→半影食と推移します。今回の月食はSaros 132で12回発生する皆既月食の第1回目で、地球の本影の端の部分を通過します。このため、皆既継続時間が12分である今世紀最短の皆既月食になりました。

Lunar Saros 132
期間回数種類
1492.05.12~1618.08.068半影
1636.08.17~1997.03.2421部分
2015.04.04~2213.08.0212皆既
2231.08.14~2411.12.0111部分
2429.12.11~2754.06.2719半影

次回の月食は9月28日に起こる皆既月食(Saros 137)になりますが、昼間のため日本では観測することはできません。このため、日本で観測できる次の月食は2017年8月8日未明の部分月食(Saros 119、最大食分0.255)で、皆既月食が観測できるのは2018年1月31日の宵になります。この皆既月食はSaros 124に属し、食甚時の食分が1.326、皆既継続時間が1時間17分になります。

これからの月食
2015年9月の皆既食 2017年8月の部分月食 2018年1月の皆既食

2016年は皆既月食や部分月食が起こらず、半影食が3月23日の宵(Saros 142)と9月17日の未明(Saros 147)に起こるだけという特異な年になります。また、8月18日夕刻には地球の半影を掠める軌道を月が通過します。この日の1サロス前はSaros 109が寿命を迎えた1998年8月8日になります。

2016年の半影食
3月の半影食 8月の半影を掠める月 9月の半影食
本記事中の月食のSaros一覧
No.初回最終寿命(年)回数半影部分皆既部分半影
109736.6.281998.08.081262.117182017197
119935.10.152396.03.251460.448220828620
1241152.08.172450.10.211298.17732082889
1321492.05.122754.06.271262.1171821121119
1371564.12.182953.04.201388.327815828720
1421709.09.193007.11.171298.177321726910
1471890.07.023134.07.281244.087082312198
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