月面Xと月面V
1月5日(木)の夕刻に月面X (LunarX) と月面V (LunarV) が観測されました。
月面Xとは、上弦の頃に月の明暗境界線の暗縁側にアルファベットの「X」の形が浮かび上がって見える現象です。ここはBlanchinus(ブランキヌス)、Purbach(プールバッハ)、La Caile(ラカイユ)の3つのクレーターが接しているところで、月面南緯25.1°、月面東経0.75°に位置しています。この付近が夜明けを迎える頃、クレーター外壁の稜線が太陽光に照らされて輝くことで月面Xが生じます。このため、稜線に太陽光が当たり始める頃からクレータ内部に太陽光が射すようになるまでの2時間程度しか観測することができません。その上、このタイミングで月が昇っていないと観測できないため、かなりレアな現象になります。
5日の16:38、17:38、18:30に撮影した月の写真です。明暗境界線の下から1/4位の所に「X」が浮かび上がってくるのが確認できました。
それぞれの時刻における月面X付近を等倍トリミングした写真です。撮影は35mm換算で336mmに4倍デジタルズームを併用し、実質35mm換算で1344mmで行いました。
なお、5日の日没は16:41で、月出は11:08、正中は17:18、月没は23:35、18時の月齢は7.1でした。
17:38には月の赤道付近の明暗境界線の明縁側に月面Vも観測できました。月面Vの正体はUkert(ウケルト)クレーター付近から伸びる2本のV字型の稜線で、月面北緯8.3°、月面東経2.2°に位置しています。
- 【関連サイト】
- 月面Xって意外に貴重な天文現象!?: ほんのり光房 blog (みゃおさん)
- アーカイブ:月面Xの一覧: ほんのり光房 blog (みゃおさん)
- 月面X | 月世界への招待 (東田守生さん)
- 月面V (LunarV) | 月世界への招待 (東田守生さん)
- セッピーナの趣味の天文計算: 月面X (セッピーナさん)
- 【関連記事】
- 68年ぶりのスーパームーン (2016.11.16)
- 満月のクリスマス (2015.12.25)
- 十三夜の月 (2015.10.25)
- スーパームーン2015 (2015.09.30)
- スーパー中秋の名月 (2015.09.27)
- 今世紀最短の皆既月食 (2015.04.04)
- 後の十三夜 (2014.11.06)
- 皆既月食と天王星 (2014.10.08)
- 白露と中秋の名月、そしてスーパームーン (2014.09.10)
- 火星の最接近と月との競演 (2014.04.14)
- 今宵は満月、中秋の名月 (2013.09.20)
- 半影月食と日食・月食の発生条件 (2012.11.29)
- 曇天の部分月食 (2012.06.04)
- 932年ぶりの金環日食 (2012.05.21)
- スーパームーン (2012.05.08)
- 11年ぶりの皆既月食 (2011.12.11)
- 日本史上初の部分月食 (2010.01.01)
| 固定リンク
「 天体・暦」カテゴリの記事
- 大きな中秋の名月(2024.09.18)
- 完全数の日(2024.06.30)
- 朝鮮語の数詞表現【実践篇】(2024.04.11)
- 朝鮮語の数詞表現【日時篇】(2024.04.08)
- 最遠最小の朧満月(2024.02.25)