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南武鉄道時代の架線柱と宿河原駅舎

JR南武線の宿河原駅構内に、南武鐵道時代の昭和9年(1934年)に建植された架線柱が残っています。

昭和2年(1927年)3月9日、南武鐵道の川崎-登戸間が開業しました。宿河原駅はこのときに開設されました。

地方鐵道運輸開始

東京市京橋區北槇町一八南武鐵道株式會社所屬鐵道ハ本月九日ヨリ川崎登戸間十哩七分一般運輸營業、矢向川崎河岸間一哩貨物運輸營業開始ノ旨届出アリタリ其哩程左ノ如シ(鐵道省)

驛名 所在地 哩程
川崎 (國有鐵道旣設驛)
尻手しつて 神奈川縣橘樹郡鶴見町市場字尻手 川崎尻手間 一・〇
矢向やかう 同縣同郡同町字矢向 尻手矢向間 〇・六
鹿嶋田かしまだ 同縣同郡日吉村字鹿嶋田田尻 矢向鹿嶋田間 一・〇
平間ひらま 同縣川崎市上平間字田尻 鹿嶋田平間間 〇・六
向河原むかひがはら 同縣同市沼部字玉川向 平間向河原間 〇・九
武藏中原むさしなかはら 同縣橘樹郡中原町字上小田中 向河原武藏中原間 一・七
武藏新城むさししんじやう 同縣同郡同町字新城 武藏中原武藏新城間 〇・七
武藏溝ノ口むさしみぞのくち 同縣同郡高津村字溝ノ口 武藏新城武藏溝ノ口間 一・四
宿河原しゆくがはら 同縣同郡稻田村字宿河原 武藏溝ノ口宿河原間 二・一
登戸のぼりと 同縣同郡同村字登戸 宿河原登戸間 〇・七
矢向
川崎河岸かはさきがし 同縣川崎市南河原 矢向川崎河岸間 一・〇
銘板 架線柱・E233系N8編成

宿河原駅と登戸方にある宿河原第二踏切との間に2基残っています。駅に近い方の架線柱は2本とも鉄柱で、ビームは平面トラスビームです。下り線側の鉄柱の銘板に「構本13 16K378 9 1934」と書かれています。

銘板 架線柱・E233系N18編成

踏切に近い架線柱は鉄柱(構本14)とコンクリート柱(構副14)の組み合わせで、ビームはクロスビームです。鉄柱は2本のC型チャンネルで構成されており、チャンネルにU字の切込みをいれて折り曲げ、ボルトでチャンネル間を接合しています。

銘板 架線柱

宿河原駅の上りホーム脇に建っている「構副8」架線柱は構造から昭和9年に建植されたものと考えられますが、銘板には1966と書かれています。これは昭和41年に何らかの改修が行われたことを示唆しています。

E233系N35編成

これらの架線柱が開通から7年後に建植されたのは、昭和11年(1936年)1月に認可された小田原急行鐵道の稻田登戸駅(現:向ヶ丘遊園駅)と連絡する登戸連絡線(昭和42年3月廃止)の敷設に先立ち、昭和9年に宿河原駅構内の配線がほぼ現在の形に整備されたことを示唆しています。

なお、宿河原-登戸間が複線化されたのは昭和18年(1943年)12月20日ですが、登戸連絡線敷設時に宿河原-分岐部間が複線化された可能性は否定できません。

駅舎内 駅舎

宿河原駅の駅舎は昭和2年の駅開業時に建てられた木造平屋建の駅舎で、下りホームに直結しています。上りホームとは構内跨線橋で連絡しています。駅前には小広場があり、昭和56年(1981年)に設置された「宿河原跨線人道橋」で線路北側と連絡しています。

川崎市が平成22年(2010年)2月に策定した「南武線駅アクセス向上方策案」によると、稲田堤、中野島、久地の3駅の橋上駅舎化の整備後に橋上駅舎化の整備について検討することとなっています。

【参考文献】
"地方鐵道運輸開始", 官報, 第62號, p.457 (昭和2年3月17日)
中川浩一: "南武、青梅、五日市線の歴史的過程", 鉄道ピクトリアル, 568, pp.10-16 (1992年12月)
生方良雄: "小田急と南武鉄道", 鉄道ピクトリアル, 568, pp.56-57 (1992年12月)
沢柳健一: "昔日の南武線レール・マップ", 鉄道ピクトリアル, 568, 折込 (1992年12月)
川崎市まちづくり局交通政策室 『南武線駅アクセス向上等整備事業の取組状況について』 平成24年11月22日
川崎市建設緑政局道路河川整備部道路施設課 『道路維持修繕計画 実施プログラム(平成26年度~平成35年度) 【横断歩道橋編】』 平成28年4月
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