寒空の皆既月食
1月31日(水)の宵から夜半にかけて皆既月食が見られました。欠け初めから欠け終わりまでの全過程を観測することができた皆既月食としては2年10ヶ月ぶりで、前回は2015年4月4日の今世紀最短の皆既月食でした。
今回の皆既月食は、比較的視半径が大きく (16′35″)、1暦月中で2回目の満月という稀な条件下で起こりました。東京では薄雲がかかったときもありましたが、概ね全過程を観測できました。
皆既食中の色は比較的暗めで、ダンジョンスケールで2相当でした。また皆既食の前後に、月に投影された本影の縁付近に青光や緑光の成分が重畳される「ターコイズフリンジ」と呼ばれる現象も観測されました。
国立天文台によりますと、今回の食の推移等は下表の通りで、食甚時の食分は1.321でした。
| 時刻 | 状況 |
|---|---|
| 19:49.8 | 半影食開始 |
| 20:48.1 | 本影食開始 (第1接触) |
| 21:51.4 | 皆既食開始 (第2接触) |
| 22:26.8 | 望 |
| 22:29.8 | 食の最大 (食甚) |
| 23:08.3 | 皆既食終了 (第3接触) |
| 23:57.7 | 南中 (東京) |
| 00:11.5 | 本影食終了 (第4接触) |
| 01:10.0 | 半影食終了 |
今回の皆既月食は月食Saros 124 (仁平2年7月16日・JC1152年8月17日~2450年10月21日) に属していて、全月食74回中の49番目で、皆既月食としては28回中の第21回目でした。
| 期間 | 回数 | 種類 |
|---|---|---|
| 1152.08.17~1495.03.11 | 20 | 半影 |
| 1513.03.21~1639.06.15 | 8 | 部分 |
| 1657.06.26~2144.04.18 | 28 | 皆既 |
| 2162.04.29~2288.07.14 | 8 | 部分 |
| 2306.07.27~2450.10.21 | 9 | 半影 |
次回の月食は7月28日早朝に起こる皆既月食 (Saros 129) で、皆既継続時間が今世紀最長の1時間43分30秒となりますが、皆既が始まる前後に月没を迎えてしまいます。この皆既月食の1サロス前は、西暦1900年~3000年で最長の皆既継続時間 (1時間47分0秒) である2000年7月16日の皆既月食でした。
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