TOKAS本郷
この建物は関東大震災後の帝都復興事業の一環として東京市によって建設された鉄筋コンクリート造3階建てで、昭和3年 (1928年) 12月に竣工しました。当時の住所は東京市本鄕區元町66番地でした。
1~2階には婦人少年職業紹介所、3階には旧制中学卒以上の知識階級を対象とした本鄕職業紹介所が入りました。そして、昭和6年 (1931年) 5月に東京市聯絡紹介所が開設されました。
市内二十有餘の公益普通職業紹介所の聯絡統一の徹底を窮し、求人者求職者の要求せる適材適職を最も人選撰擇し、之を合理的に就業斡旋するにある。
昭和10年に神田橋職業紹介所を中央職業紹介所に改称し、連絡事務を移管したことに伴い廃止されました。
昭和20年 (1945年) 4月13日の米軍による空襲(23:00空襲警報発令、14日02:00解除)で2階と3階が焼失しました。昭和23年 (1948年) に飯田橋公共職業安定所本郷分室が開室し、翌年に東京都お茶の水公共職業補導所、そして東京都立お茶の水高等職業訓練校事業内訓練教室と変遷しました。
その後、平成3年 (1991年) に東京都教育庁お茶の水庁舎になりましたが、平成13年 (2001年) にアートセンターとして開館 しました。
- 【参考文献】
- 東京市役所 『東京市制槪要 昭和八年版』 昭和8年3月31日
- 栢木まどか 『建物コラム:東京市の復興と歩んだ建物』 TOKAS本郷(2022)
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