目黒川旧流路と品川町の雨水枡
目黒川(二級河川・目黒川水系本流)の河口付近では、大正15年(1926年)から昭和3年(1928年)にかけて目黑川改修工事が行われ、流路が付け替えられました。國道1號(現: 第一京浜・国道15号)に架かる東海橋より下流の旧流路は荏原神社の北側を通り、旧東海道の品川橋のすぐ下流に架かる新品川橋付近で北に折れ曲がっていました。
荏原神社裏の山手通り(国道357号・東京都市計画道路幹線街路環状6号線)北側の住宅街に子育地蔵があります。冒頭の地図では品川町大字北品川宿字北馬場116番地付近になります。この地蔵の後ろの路地が目黑川の旧流路で、目黑川の氾濫で溺死した子供の供養のために大正10年 (1921年) 7月に建立されました。
2016年12月の時点で子育地蔵の目の前に品川町の雨水枡がありました。中央の紋章は品川町章です。この蓋は目黒川改修工事に伴い、昭和3年頃に設置されたものであると考えられます。
荏原神社は南品川宿の鎮守でしたが、目黑川改修工事により川の北側になったため、鎮守橋が架けられました。「昭和三年九月」の文字が刻まれている初代橋の親柱が神社内に保存されています。
現在の鎮守橋は昭和60年10月に竣成した二代目の橋です。この橋の神社側の袂には「皇紀二千六百年 目黒川改修埋立工事竣工記念碑」が建っています。碑の裏面には碑文が刻まれています。
目黒川ハ古耒豪雨毎ニ汎濫シ下流沿岸住民ヲ悩マシ其ノ惨害甚大ニシテ目ヲ蔽ハシムルモノアリキ 茲ニ扵テ東亰府ハ大正十二年以来昭和十四年三月ニ至ル十七ヶ年間ニ扵テ壹千四百七拾九萬圓ノ巨費ヲ投シテ目黒川ノ改修工事ト其ノ河口ニ接スル埋立工事ヲ完成シテ面目一新重工業地域トシテノ盛觀ヲ呈スルニ至レリ茲ニ本工事ノ完成ヲ永遠ニ記念センカ為メニ本碑ヲ建ツ
昭和十五年四月 目黒川改修埋立工事竣工協賛會
城野品川區長撰文
目黒川の旧河口には、大正14年 (1925年) 9月竣功の北品川橋が架かっています。2016年の時点では「この先5t規制」の立看板だけがありましたが、2019年には重量制限の標識に変わっていました。
北品川橋西詰の近くにある品川町のマンホールは、2021年12月の時点で現存しているのを確認しています。この蓋の紋章は品川町章と下水構えを組み合わせたものです。
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