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日本橋野村ビルディングと野村證券のマンホール

建物

日本橋から江戸橋にかけての日本橋川(一級河川・荒川水系)に沿うように日本橋野村ビルディングが建っていました。建物は長さ約50mの旧館、長さ約70mの本館、長さ約30mの別館で構成されています。建物の所有者は野村證券ではなく、旧野村財閥系の野村殖産株式会社です。

建物

旧館は旧野村財閥の東京進出の拠点として建築されたもので、設計者は安井武雄氏、鉄骨鉄筋コンクリート造地上7階・地下2階建で、昭和5年 (1930年) 3月15日に竣工しました。本館は昭和34年 (1959年) 増築、別館は地上9階建で、昭和56年 (1981年) に増築されました。

紋章 鉄蓋

別館脇に野村證券の鉄蓋がありました。鉄蓋の中央には野村家の屋号「ヤマト」を図案化した紋章(昭和29年制定)が入っています。この蓋は野村證券と東京証券取引所との間の専用回線用でした。

風景

この一帯では「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」が2021年12月6日より始まりました。このため、鉄蓋の去就は定かではありませんが、中央区特別区道中日第273号線の位置が変わらないようなので残存する可能性はゼロではありません。いずれにせよ、この光景は過去のものになってしまいました。

風景

この再開発で本館と別館は建て替えられますが、平成30年 (2018年) 4月1日付で中央区指定有形文化財(建造物)に指定されている旧館は外観を保存活用していく形で改築されることになっています。この事業全体が竣工するのは2026年3月末の予定となっています。

日本橋川 日本橋

同時に日本橋川の上空を通る首都高速都心環状線 (C1) の地下化工事も始まっています。こちらの竣工は2040年を予定していて、今から18年後には日本橋川に青空が復活します。

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【参考文献】
安井建築設計事務所 『自由様式の建築家 安井武雄』

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