三田用水 駒場橋の石橋供養塔
駒場橋跡から滝坂道を西側に下り、山手通り(東京都道317号環状六号線)の手前の南側に文化9年9月 (1812年10月) に建立された石橋供養塔があります。元々は駒場橋袂に建っていました。昭和47年 (1972年) に橋跡の袂で発掘され、マンション住民の手により移築・修復されました。
碑の正面には碑文と三田用水沿いの中目黒村、下目黒村、上大崎村、下大崎村、谷山村、北品川村、今里村、白金村、三田村、下澁谷村、代田村、上目黒村、中澁谷村の名前が刻まれています。
文化九年壬申
(梵字)石橋供養塔
九月吉祥日
右側面には、滝坂道沿いの20余ヶ村の名前が刻まれています。そのうち判読できたものは以下の村々です。このうち、宮之坂と鶴免は世田谷村の小名、世田谷松原宿は松原村飛地です。北埜村南山谷は北野村飛地で、本村は現在の三鷹市北野です。羽根村と上横根村に該当する村や小名は沿道にはありませんでした。
給田村
若林村
経堂村
廻澤村船橋村
北埜村南山谷
羽根村
宮之坂 鶴免赤堤村
上祖師谷村
下祖師谷村
世田谷松原宿上北澤村
下北澤村
中豊澤村
上横根村粕谷村
太子堂村
入間村
池澤村
駒場橋から東側に下り、旧山手通り(東京都道317号環状六号線支線・東京都市計画道路補助線街路第25号線)の手前の路面にある新榮會の旗竿ボックスは残っていました。
- 【参考文献】
- 塩澤榮八郎 『東京府北多摩郡神代村土地寶典』 昭和13年6月20日
- 森安彦、三田義春 『世田谷の地名(上)』 昭和59年3月10日
- 調布市市史編集委員会 『近世調布の村むら』 昭和59年3月31日
- 調布市教育委員会 『調布の古道・坂道・水路・橋』 平成13年12月10日
- 下山照夫 『江戸時代 世田谷の村々』 2009年7月
- 【関連記事】
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