三田小山町
台地下の崖線沿いに小山湯がありました。小山湯は銭湯で多く見られる宮造り様式ではなく出桁造の町家風で、大正10年 (1921年) に建築されました。小山湯は2007年1月末を持って廃業しています。
入口左側の柱には、東京市電氣局と東京電燈の電力供給契約のプレートが付いていました。電気局のものには局章と「市電 12284」、東京電燈のものには「207 123 東電」と書かれていました。
讃岐会館は香川県が運営母体の宿泊施設でした。2003年8月に「東京さぬき倶楽部」に改称されましたが、2020年4月末に閉館しました。讃岐会館の隣には出桁造の旧・寺井雑貨店があります。
讃岐会館正面の道沿いに昭和38年 (1963年) 創業の日完工芸の木造社屋と戦後の看板建築である大阪王将宅配専門三田店が並んでいます。大阪王将は2021年末頃に閉店しています。
大阪王将の裏手に昭和初期建築の下見板張りの木造家屋が数軒残っています。この中に見越しの松と門構えを持つ屋敷があります。この屋敷は昭和12年 (1937年) に建てられたものです。
路地の両側の十数軒の住所は住居番号まで同じになっています。それぞれの木造家屋は窓のアルミサッシ化などの改修はされていますが、綺麗な状態で維持されています。
この一帯では「三田小山町西地区第一種市街地再開発事業」が2023年3月頃着工、2027年竣工の予定で行われます。再開発で三田1丁目10番地が北街区、11番地が南街区になります。このため、この光景が見られるのも後わずかになりました。
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