« 鳥越一丁目交差点の燈孔蓋と看板建築 | トップページ | 三光豊沢商店街 »

丸石ビルディングと龍閑川

丸石ビルディング

千代田区神田鍛冶町1丁目の龍閑川に架かっていた今川橋北詰に近世ロマネスク様式の丸石ビルディングが建っています。このビルはSRC造地上6階・地下1階の大洋ビルディングとして昭和6年 (1931年) 3月に竣工し、昭和8年に奥のアーチ3つ分が増築されました。建物は株式会社大洋商会が所有・管理しています。

丸石商会株式会社は明治42年 (1909年) 3月に設立されました。昭和2年 (1927年) 9月21日に丸石商会染料部が丸石染料株式会社(→丸石化学品株式会社)として独立しました。昭和3年5月に丸石商会が所有する不動産の管理保全を目的とした太洋商会が設立されました。昭和36年 (1961年) 2月に丸石自転車(2004年倒産)に商号が変更されました。その後、丸石自転車の子会社として滋賀丸石自転車工業(→株式会社ペンタくん)、福島丸石自転車工業(→株式会社丸石サイクル)や丸石自転車北海道販売株式会社(→株式会社オーアンドエム)が分社化されました。

地図

ビルの南側を流れていた龍閑川は元禄4年 (1691年) に日本橋川と浜町川を結ぶ幅3間の水路として開削されました。安政4年 (1857年) に埋め立てられましたが、明治16年 (1883年) に幅6間で再び開削されました。昭和23~25年 (1948~1950年) に浜町川の小川橋以北と同時に戦災瓦礫で埋め立てられました。

丸石ビルは2002年2月14日付で登録有形文化財(建造物)に登録されました。なお、今川橋は今川焼き発祥の地とも云われています。

【関連記事】
東京ビルヂング協会: "オフィスビル・アーカイブ 旧大洋ビルディング(現・丸石ビルディング)", BUILDING TOKYO, 2015年11月号, pp.12-14
【関連記事】
浜町川のバラック建築 (2022.10.19)
日本橋富沢町の銀行建築 (2022.10.18)
浅草橋交差点の近代建築 (2022.10.17)
日本橋野村ビルディングと野村證券のマンホール (2022.09.08)

|

« 鳥越一丁目交差点の燈孔蓋と看板建築 | トップページ | 三光豊沢商店街 »

川・水路・暗渠」カテゴリの記事

近代建築」カテゴリの記事