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六本木と南青山の東京市電気局の痕跡

路線図

六本木交差点で外苑東通り(東京都道319号環状三号線支線・東京都市計画道路幹線街路補助線街路第4号線)と六本木通り(東京都道412号霞ヶ関渋谷線・東京都市計画道路幹線街路放射第22号線)が交わっています。かつて、ここには東京市電氣局の六本木線霞町線が交差する六本木電停がありました。

風景 角蓋

六本木交差点の近くにある六本木駅自転車駐車場の前の路上に、東京市電氣局の3連角蓋が残っています。蓋は二の字紋様で、それぞれの蓋の中央には電氣局章と「市電燈 NO」の文字が入っています。

区役所 角蓋

六本木は麻布區に属し、電氣局の供給区域でした。麻布區役所(明治42年竣工)は六本木線三河台町電停前にありました。昭和12年に日本獣醫學校が區役所の建物を買収し武蔵境に移築しました。

風景 標石

外苑東通りと東京都道319号環状三号線の合流点付近に「電氣局」の文字と局章入りの電氣局の境界標石が1本建っています。青山は電氣局の供給区域外でしたので、市電関係の標石と考えられます。

碑 駅

合流点で六本木線は廣尾線と合流していました。合流点北東角には「赤坂消防署発祥の地」碑もあります。すぐ北には青山一丁目交差点があり、靑山一丁目電停がありました。

赤坂消防署發祥㞢地

赤坂消防署は、この地に大正十五年に誕生し、以来昭和三十年までの間地域と一体となつて、協力と和のもとに防災の拠点としてその任務を果した。

昭和六十一年十二月吉日建立

駅

青山一丁目交差点は外苑東通り(東京都道319号環状三号線・東京都市計画道路幹線街路環状第3号線) は青山通り(国道246号・東京都市計画道路幹線街路放射第4号線)の交差点です。ここで六本木線・廣尾線は信濃町線靑山線に接続していました。

※ 本記事では冒頭の案内圖中の電停名で表記しています。

本記事中の東京市電の路線データ
線名 区間 開業 廃止
六本木線 濱松町一丁目~御成門 T04.05.25 S44.10.26
御成門~神谷町~飯倉一丁目~六本木 M44.08.01
六本木~靑山一丁目 M45.06.07
霞町線 溜池~六本木 T14.06.06 S42.12.10
六本木~霞町~靑山六丁目 T03.09.06
廣尾線 靑山一丁目~霞町~天現寺橋 M39.03.03 S44.10.26
信濃町線 四谷塩町~信濃町 M40.10.25 S44.10.26
信濃町~靑山一丁目 M39.03.03
靑山線 三宅坂~赤坂見附~靑山一丁目 M37.09.06 S38.10.01
靑山一丁目~靑山四丁目 M37.09.06 S43.09.29
靑山四丁目~靑山六丁目~靑山車庫前 M39.12.29
靑山車庫前~澁谷驛前 M44.08.03
【参考文献】
東京市電氣局 『電氣局三十年史』 昭和15年12月28日
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