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下高井戸に残る京王電軌の痕跡

駅舎 駅舎

京王線下高井戸駅西の下高井戸1号踏切は1993年10月17日までは警手がいる第一種乙踏切でした。大正14年まではこの踏切を挟んで西側に上りホーム、東側に下りホームがあったようです。

市場 市場

上りホームの跡地は幅1m弱の細い通路となっている部分で、この通路と下高井戸1号踏切を通る駅前通り(東京都道427号瀬田貫井線)に接するように下高井戸駅前市場が昭和31年に建てられました。

市場内には下記の店舗が並んでいます。表の上側が西、左側が駅になります。廃業して看板だけが残っている店舗には打ち消し線を引いています。

市場 市場
今川焼RARASAND
鮮魚 長谷川商店
冨永呉服店
鶏唐揚専賣店
長島青果
鈴木食品
豆腐いづみや
お茶の店つるや
鮮魚三友
バナナスタンド
洋装雑貨カミヤマ
→山仁青果
靴修理専門店 修造
不動産サンライフプラン
メガネ⋅宝石⋅時計 サクライ
漢方薬局 桃仁堂
花 GARDENA
堀田牛肉店
電力プレート 精米店

市場北側のレンガ通りに建っている出桁造の柏木精米店に京王電氣軌道の電力供給契約銘板が貼られています。この辺はかつて豐多摩郡髙井戸町でしたので、銘板にも「髙井戸」と書かれています。

精米店

店頭には精米店特有の吊り看板と自主米と書かれた自販機があります。自主米とは食糧管理法(食管法、昭和17年2月21日法律第40号)下の昭和44年に登場した自主流通米のことです。自販機で使用できる硬貨に500円が含まれていないことから昭和50年頃のものと考えられます。

看板 看板

食管法では米の小売は許可制でした。平成7年11月1日の主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(食糧法、平成6年12月14日法律第113号)の施行に伴い食管法が廃止され、登録制に変わりました。

電飾看板 電飾看板

いの一番とプラッシーが1枚の電飾看板の表裏に書かれています。これらは武田薬品工業の子会社だった武田食品工業の製品で、プラッシーは昭和33年、いの一番は昭和36年に発売開始されました。

看板 電飾看板

マ⋅ミールは白麦米株式会社の製品で、昭和40年に発売開始されました。マ⋅ミールの電飾看板の隣には東京都米穀小売商業組合加盟店であることを示す電飾看板もあります。

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