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東京で雷雪

積雪 雪景色

2月5日(月)の昼から6日(火)の未明にかけて東京で降雪があり、大雪警報・注意報などが発令、北の丸で8cmの積雪が観測されました。しかも夜には雷も伴う雷雪 (thundersnow) が観測されました。

2月5日午後~6日未明の警報と注意報
23区東部23区西部多摩北部多摩南部/西部
大雪警報20:19~00:2319:19~00:2318:08~00:2316:27~00:23
大雪注意報14:50~20:19
00:23~04:05
14:50~19:19
00:23~04:05
12:41~18:08
00:23~04:05
12:41~16:27
00:23~04:05
雷注意報19:44~00:2319:44~00:2319:44~00:2319:44~00:23
風雪注意報14:50~04:0514:50~04:05
着雪注意報20:19~04:0519:19~04:0518:08~04:0516:27~04:05

島嶼部を除く東京管区気象台管内の警報・注意報の発表基準は下表のとおりです。

警報・注意報の発表基準
大雪警報12時間降雪の深さ10cm(多摩西部を除く)、20cm(多摩西部)
大雪注意報12時間降雪の深さ5cm
雷注意報落雷等により被害が予想される場合
風雪注意報平均風速13m/sで雪を伴う
着雪注意報大雪警報の条件下で気温が-2℃~2℃の時

雷雪は、日本列島の北陸や東北の日本海側、アメリカ五大湖周辺、ノルウェイ西海岸で見られる程度で、世界では珍しい現象です。

都営下馬37号棟跡

積乱雲が発達し、大気温が−10℃付近の領域で氷晶と霰が衝突すると、霰は負に、氷晶は正に帯電します。軽い氷晶は上昇気流により上方に、重い霰は下方に位置することで、この層より高い部分は正、低い部分は負に帯電します。これにより、地表に正電荷が誘起され、電界が生じます。

兵舎

ところが、冬の日本海側では正に帯電した雲頂部が上空の季節風に流されて沿岸部にかかり、地表に負電荷が誘起されることで電界が生じます。そして季節や場所に依らず局所電界強度が1000kV/m(高度約7km)~3000kV/m(地上付近)に達すると、放電方向に次々と絶縁破壊が進み、終に落雷に至ります。

雷雲の特性
夏季雷冬季雷
発生地域全国日本海沿岸
雲高10~16km5~7km
−10℃高度5~6km2~2.5km
雲底高度1~2km300~500m
電荷0.2~20C0.1~3×103C
対地電圧108V107~108V
静電エネルギー106kJ102~108kJ
放電方向下向き上向き
紅梅

冬季雷は雲底や−10℃高度が夏季雷に比べて低いため電流が1箇所に集中しやすく、雷雲も小さいため落雷回数が少なくなります。このため1回の落雷のエネルギーが夏季雷の10~100倍に達することもあります。しかし、地上の気温が低く、雲内の気温が−10℃以下であることが多いため発生頻度は低くなります。

実況天気図

気象庁発表の5日21時の実況天気図からは、関東に最接近した南岸低気圧が最盛期になっていることが読み取れます。さらに海水温が約18℃で平年より1~2℃ほど高いため、積乱雲が夏並みに雲頂高度10km以上まで発達し、夏季雷型の雷が発生しました。また地上の気温が0~1℃と低いことで雪になったため、雷雪が観測されました。

【参考文献】
今井光祐, 河野俊彦: "雷雲内における空気破壊電界について", 福山大学工学部紀要, 18, pp.65-69 (1994)
高田吉治: "冬季雷と雷対策", 風力エネルギー利用シンポジウム, 29, pp.191-194 (2007)
高田吉治: "技術連載その16 雷", 風力エネルギー, 33, No.1, pp.71-78 (2009)
高田吉治: "技術連載その23 雷", 風力エネルギー, 34, No.4, pp.102-108 (2010)
牛尾知雄: "雷の物理とその観測技術", 日本物理学会誌, 71, pp.235-238 (2016)
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