東京で雷雪
| 23区東部 | 23区西部 | 多摩北部 | 多摩南部/西部 | |
|---|---|---|---|---|
| 大雪警報 | 20:19~00:23 | 19:19~00:23 | 18:08~00:23 | 16:27~00:23 |
| 大雪注意報 | 14:50~20:19 00:23~04:05 | 14:50~19:19 00:23~04:05 | 12:41~18:08 00:23~04:05 | 12:41~16:27 00:23~04:05 |
| 雷注意報 | 19:44~00:23 | 19:44~00:23 | 19:44~00:23 | 19:44~00:23 |
| 風雪注意報 | 14:50~04:05 | 14:50~04:05 | ||
| 着雪注意報 | 20:19~04:05 | 19:19~04:05 | 18:08~04:05 | 16:27~04:05 |
島嶼部を除く東京管区気象台管内の警報・注意報の発表基準は下表のとおりです。
| 大雪警報 | 12時間降雪の深さ10cm(多摩西部を除く)、20cm(多摩西部) |
|---|---|
| 大雪注意報 | 12時間降雪の深さ5cm |
| 雷注意報 | 落雷等により被害が予想される場合 |
| 風雪注意報 | 平均風速13m/sで雪を伴う |
| 着雪注意報 | 大雪警報の条件下で気温が-2℃~2℃の時 |
雷雪は、日本列島の北陸や東北の日本海側、アメリカ五大湖周辺、ノルウェイ西海岸で見られる程度で、世界では珍しい現象です。
積乱雲が発達し、大気温が−10℃付近の領域で氷晶と霰が衝突すると、霰は負に、氷晶は正に帯電します。軽い氷晶は上昇気流により上方に、重い霰は下方に位置することで、この層より高い部分は正、低い部分は負に帯電します。これにより、地表に正電荷が誘起され、電界が生じます。
ところが、冬の日本海側では正に帯電した雲頂部が上空の季節風に流されて沿岸部にかかり、地表に負電荷が誘起されることで電界が生じます。そして季節や場所に依らず局所電界強度が1000kV/m(高度約7km)~3000kV/m(地上付近)に達すると、放電方向に次々と絶縁破壊が進み、終に落雷に至ります。
| 夏季雷 | 冬季雷 | |
|---|---|---|
| 発生地域 | 全国 | 日本海沿岸 |
| 雲高 | 10~16km | 5~7km |
| −10℃高度 | 5~6km | 2~2.5km |
| 雲底高度 | 1~2km | 300~500m |
| 電荷 | 0.2~20C | 0.1~3×103C |
| 対地電圧 | 108V | 107~108V |
| 静電エネルギー | 106kJ | 102~108kJ |
| 放電方向 | 下向き | 上向き |
冬季雷は雲底や−10℃高度が夏季雷に比べて低いため電流が1箇所に集中しやすく、雷雲も小さいため落雷回数が少なくなります。このため1回の落雷のエネルギーが夏季雷の10~100倍に達することもあります。しかし、地上の気温が低く、雲内の気温が−10℃以下であることが多いため発生頻度は低くなります。
気象庁発表の5日21時の実況天気図からは、関東に最接近した南岸低気圧が最盛期になっていることが読み取れます。さらに海水温が約18℃で平年より1~2℃ほど高いため、積乱雲が夏並みに雲頂高度10km以上まで発達し、夏季雷型の雷が発生しました。また地上の気温が0~1℃と低いことで雪になったため、雷雪が観測されました。
- 【参考文献】
- 今井光祐, 河野俊彦: "雷雲内における空気破壊電界について", 福山大学工学部紀要, 18, pp.65-69 (1994)
- 高田吉治: "冬季雷と雷対策", 風力エネルギー利用シンポジウム, 29, pp.191-194 (2007)
- 高田吉治: "技術連載その16 雷", 風力エネルギー, 33, No.1, pp.71-78 (2009)
- 高田吉治: "技術連載その23 雷", 風力エネルギー, 34, No.4, pp.102-108 (2010)
- 牛尾知雄: "雷の物理とその観測技術", 日本物理学会誌, 71, pp.235-238 (2016)
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